日経ものづくり 特報・現場に生かすICタグ

現場に生かすICタグ

日経ものづくり 特報・現場に生かすICタグ

2005年に一気に広がりが期待されているICタグ。 製造現場でもICタグを利用するメリットは大いにある。しかし, 電波が乱れる,衝撃がかかる,高温になる,油で汚れる―。 製造現場は,ICタグの使用を容易に許さない,過酷な環境下に置かれている。 心配することはない。先進メーカーは既にこれらの問題を克服し,実績を上げている。

 無線を利用するためリーダーの位置合わせでタグを厳密に狙う必要がない,タグが汚れていても読み込める,情報が書き換えられるなど,ICタグのメリットは多い。物と情報とを容易に一致できるため,その存在が特にSCMの効率化などで注目されている。
 情物一致のメリットは生産現場でも同じこと。組み立ての進ちょく状況がリアルタイムで分かれば,仕掛かり在庫の削減などの効果が期待できる。また,近年注目されているトレーサビリティーの確保も,ICタグを利用すれば容易に実現できる。
 しかし,ICタグを工場用途に使用するには注意が必要だ。工場では,ノイズ源となる電波を発生する多くの設備に囲まれる,機械油などが飛び交う,加工時などに衝撃を受けやすい,工程によっては高温状態になるなど,物流用途と比較すると過酷な環境下にさらされる危険性が高い。電子部品を持つICタグが壊れないとも限らない。
 先進企業では,ICタグを実際の生産現場に入して効果を上げている。それらの事例から,ICタグを現場で利用するための勘所を探ってみる。

日経ものづくり 特報
●ICタグを工場で利用する際には工夫が必要
OA環境で使用するのに比べて,環境に気を付けなくてはならない。タグのパッケージや運用方法などを工夫すれば,情物一致を容易に実現できるなどICタグのメリットを享受できるので,情報システムもワンランク上のものが構築できる。