いよいよ白色発光ダイオード(LED)を使った照明機器の開発に本腰が入り始めた。従来品と異なり,2005年~2006年にかけて発光効率が蛍光灯を超える。さらに搭載するチップ数も千数百個から数十個で済むようになるからだ。今後は照明市場が,白色LEDの演色性向上や低コスト化などを牽引する。

第1部<挑戦>
照明市場にいよいよ本腰
2010年には価格も同等に

照明機器メーカーは,白色LEDを使った照明機器の開発に本腰を入れ始めた。2005年~2006年にかけて,発光効率が60lm/Wを超え1個当たりの光束が60lmを大きく上回る。この結果,蛍光灯の置き換えが,いよいよ始まると読むからだ。白色LEDの技術開発の牽引役が,ケータイ向けの小出力品から照明向けの大出力品に代わる。これから立ち上がる白色LED搭載の照明機器市場を狙い照明機器市場で古参メーカーと新参メーカーの競争も加速する。

第2部<明るく輝く>
発熱や光照射の劣化を抑え
大出力,低消費,長寿命に

白色LEDが明るさや消費電力で蛍光灯を超えるための工夫点は温度上昇の抑制や,寿命の確保,発光効率の改善,発光特性の均一化,である。LEDチップの温度上昇は,パッケージの熱抵抗低減で防いだ。素子寿命は,封止材料やパッケージ材料の見直しで延ばした。発光効率は,チップ形状の一新や小型チップ採用で追い付いた。色温度のバラつきも,白色LEDの実装方法の工夫でかわした。これらは,2005年から2006年にかけて登場する白色LEDで採用が進む。

第3部<まぶしく輝く>
LEDをレーザに替え
輝度はハロゲンを超える

日亜化学工業は,半導体レーザを利用した白色光源を開発した。特徴は,発光面積の小ささだ。わずか直径1.25mmで,高出力白色LEDと同等の50lmを得られる。輝度は白色LEDより1ケタさらに高い。ハロゲンやHIDランプ並みになり,「まぶしく輝く光源」が手に入る。自動車のヘッドランプやプロジェクタなどへの応用を狙い2005年下半期にサンプル出荷を始める。