日経ものづくり 詳報

一刻も早く生存者を見つけ出せ! 
がれきの中や上を移動して情報収集

5種類のレスキューロボットがデモンストレーション

 地震など災害が起きたときの救助活動で,最も重要なのが救助を待っている生存者の位置や状態に関する情報を一刻も早く手に入れることである。倒壊した建物や地下街などでは2次災害の危険もある。災害現場で活動するロボットを開発する意義は大きい。
 このような背景の中,国際レスキューシステム研究機構(IRS)は開発中のレスキューロボットをデモンストレーションした。柱や板を乱雑に配置して災害現場を模擬し,その状況を各ロボットがどのように克服し,移動していくかの実演だ。デモには(1)IRS蒼龍(2)MOIRA2(3)KOHGA(4)FUMA(5)Leg-in-rotor-V—という5種類のロボットが参加した。

中越地震に出動したIRS蒼龍
 IRS蒼龍は,2004年の新潟県中越地震の時に現地で運用試験を行うなど,実用化に最も近いロボットとされている。IP65相当の防水・防塵構造を実現するとともに,量産に向けて低コスト化し,構造も簡素化した。クローラはトピー工業が設計するなど,民間企業の力も加わっている。

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●段差を上る「IRS蒼龍」