日経ものづくり アイデアコーナー

スパッタ付着防止液の自動供給装置 【豊田自動織機】

密閉容器の内圧が液の落下で負圧へ変化

 アーク溶接ロボットに取り付けたチップやノズルは,定期的にスパッタ(溶融金属の微粒子)付着防止液に浸す必要がある。スパッタの付着を防止するとともに,チップとノズルを冷却するためだ。スパッタ付着防止液は,溶接ロボットのそばに設置したカップに入れておき,ノズルをカップの上から差し込んでスパッタ付着防止液に浸す。
 しかし,高温なノズルを漬けることによる蒸発や,付着による持ち出し,さらには自然蒸発によってカップ内のスパッタ付着防止液は減っていく。水面が低下した状態ではノズルを十分にスパッタ付着防止液に浸すことができない。結果,ノズルにスパッタが付着し,品質問題が発生してしまうことへとつながる。

日経ものづくり アイデアコーナー1
●溶接ロボットとスパッタ付着防止液カップ

丸シャフトのブレーキユニット 【パボット技研】

面接触で耐久力と保持力アップ

 丸シャフト(ロッド)のブレーキは,リニア駆動する装置の落下防止や停電時の安全対策などに使われる。パボット技研(本社愛知県・大口町)のブレーキユニット「ULB2」は,構造は単純ながらちょっとした形状の工夫で従来品よりも耐久性,安定性を高めた。
 ULB2は「斜板方式」と呼ばれる構造で,ロッドがブレーキ板の中央の穴を貫通した構造を採っている。このブレーキ板の傾斜によって,ロッドを固定したり自由にしたりする。ULB2のブレーキ板には,長方形と円を同一中心で重ね合わせた形状の穴が中央に開いている。円の直径はロッドよりも少し大きいが,長方形の短辺はロッドの直径よりも短い。
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●丸シャフトのブレーキユニット