日経ものづくり キラリ輝く中小企業

半導体検査用プローブの愛工舎

時計産業の衰退で一度はどん底に
小物切削に特化し今では業界2位

 今元気な中部地方で,ひときわ元気な中小企業がある。名古屋市に本社を置く愛工舎だ。73台ものCNC自動旋盤をフル稼働させ,出荷前の半導体の通電検査に使うコンタクトプローブを今も造り続ける。この分野における国内シェアは2位だ。
 コンタクトプローブは,半導体回路の高積化に伴い,年々細くなってきている。現在の主流は直径0.1~0.2mmだが,同社では既に同0.03mmの切削加工にも成功。コンタクトプローブの直径としては,これが現在のチャンピオンデータとみられている。
 従業員43人の小さな会社が大企業に引けを取らない高い技術を身に付け,コンタクトプローブの分野でシェア2位にまで上り詰めることができたのは,創業の地である中部地方と無縁ではない。

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●コンタクトプローブ(上,中)と巻真(下)
コンタクトプローブは,筒状の胴体の中にばねがあり,その先にプランジャが付いている。半導体検査向けとして現在主流のコンタクトプローブの直径は0.1~0.2mm。なお,目盛りは1mm。