詳報
デジタル・カメラ・メーカーの決算明暗,価格低下の追従力に差

いよいよ淘汰が始まるか

 民生用デジタル機器メーカーにとって,2004年の合言葉は価格下落といっても過言ではない。特に「新・三種の神器」として市場拡大をけん引してきたデジタルカメラ(DSC),DVDレコーダー,薄型テレビ受像機(テレビ)はその影響が顕著で,業績にも大きな影響を与えている(表)。

キヤノンも営業利益率は頭打ち
 DSCは新・三種の神器の中でも早い段階で普及が始まったので,その分だけ価格下落が始まったのも早い。米Concord Camera社の日本法人であるコンコルドカメラ(本社東京)が,開発・製造コストを抑えて主要メーカー製の約8割の価格を実現したDSC「CONCORD 5320z」を発売するなど,参入メーカーは増え,価格は下がる一方だ(図1)。
 DSCメーカーの中では業績が好調なキヤノンだが,カメラ事業部門の営業利益率だけを見ると2003年度の19.3%をピークに頭打ちだ(図2)。同社は2003年9月に本体価格を約13万円に抑えたレンズ交換式一眼レフDSC「EOS Kiss Digital」を発売したが,2004年度の営業利益率は前年度より2.2%低い17.1%にとどまった。