組み込みソフト玉手箱
第3回 ソフトには機械がメモリーに見える

情報処理推進機構 ソフトウェア・エンジニアリング・センター 田丸喜一郎


●ソフトから見て,機械はセンサとアクチュエータに単純化可能
●センサの入力から,アクチュエータへの出力を計算する
●入出力は値の読み書きにほかならず,メモリーと同じ扱いだ


 機械製品をソフトウエアで制御することは「マジックハンドで持った孫の手で背中をかくようなもの」とよくいわれる。機械製品のメカの動きは,まずエレキの信号に変換され,それをデジタルな値としてソフトが処理して,その結果を,またエレキの信号に変換して,メカを動かす。
 メカからエレキ,エレキからソフト,ソフトからエレキ,エレキからメカ,変換するごとに数値的な誤差も生じれば時間的な誤差も生じる。それらを計算に入れながら制御しなければならない。すなわち,かゆい所をかかなければならないからである。組み込みソフトがパソコンなどのソフトと異なる点の一つが,これらメカやエレキとやりとりする部分である。