なるほどtheメソッド
QFD(品質機能展開)最終回
業務改革への適用方法

業務機能の展開で各業務の必要性と必要工数を把握

大藤 正
玉川大学経営学部国際経営学科教授

【筆者プロフィール】1972年3月,玉川大学工学部卒業後,同学部助教授,同大学経営学部助教授を務め,現在に至る。QFD(品質機能展開)に詳しく,著書に「品質展開活用の実際」「QFDガイドブック」(いずれも日本規格協会),「品質機能展開活用マニュアル2 品質展開法(1)」「実践的QFDの活用」(いずれも日科技連出版社)などがある。

これまで,品質保証,人材育成,新しい製品/サービスの開発など,ものづくりのさまざまな業務においてQFDが有効な手法であることを解説してもらった。最終回である今回は,そうしたQFDが業務改革においても役立つものであり,それをどのような観点から適用していけばよいのか解説してもらう。(本誌)

 品質機能展開は,品質の展開と業務機能の展開に大別されることは以前に説明したが,今回は業務の改革に有効な業務機能展開に焦点を当てて解説する。

 企業の使命と具体的な活動をマネジメントする方法論としては,目標管理(MBO)があり,方針管理があり,最近ではBSC(バランスト・スコアカード)が注目されている。この中のBSCでは「財務」「顧客」「業務プロセス」「学習・成長」の四つの視点で成果指標を明らかにするように提案しており,顧客の満足を得るためには業務プロセスの改革が必要としている*1。BSC以外でも,コンピテンシー*2など業務プロセスを見直す必要性を訴えるものはさまざま。業務プロセスの見直しのための具体的な方法としてはQFDの業務機能展開が理解しやすいと考えられる。