詳報
熱伝導率が100倍のプラスチック
優れた放熱性を生かし金属の代替狙う

東レがフィラ同士の接触確率を高める独自の分子設計で実現

 熱伝導率が一般のプラスチックの100倍以上。東レが開発した新しい熱可塑性プラスチックは,プラスチックとして世界最高レベルの熱伝導率を達成した。実用化すれば,金属やセラミックスを代替することが可能になりそうだ。同社では2005年内を目標に,家電・OA機器分野や自動車分野など向けに製品化を急ぐ。

 プラスチックの熱伝導率は一般に0.1~0.3W/mK,高くて2~5W/mK程度であるのに対し,新しいプラスチック(高熱伝導タイプ)のそれは26W/mK。鋼の50W/mKの約半分にまで迫り,従来のプラスチックと比べればケタ違いに高い。