地球環境への負荷が小さい植物性樹脂の用途が大きく広がりそうだ。国内大手のパソコン・メーカー2社が,パソコンの筐体への適用を決めた。先陣を切ったのが富士通である。同社は2005年1月に,植物性樹脂の代表例であるポリ乳酸(PLA:polylactic acid)とポリカーボネート(PC:polycarbonate)を混ぜ合わせた樹脂を,ノート・パソコンの筐体に採用した。同月,NECも,2006年内にパソコン筐体にケナフの繊維を配合したポリ乳酸を採用すると表明した。両社とも,植物性樹脂を使うことで,グリーン調達に関心が高い大企業や官公庁などにパソコンを拡販したい考えだ。

 これまでにも植物性樹脂を採用した機器はあった。例えば,ソニーは2002年11月にポリ乳酸を筐体に用いた「ウォークマン」を発売している。ただし従来の材料では,ノート・パソコンなどの比較的大きな筐体に用いる上で,難燃性や耐久性などと量産性を両立するのが難しかった。