詳報
さまざまな解析が一つの環境で実行可能に

大容量化するデータ管理にベンダー戦略の違いくっきり

 製品開発に欠かせないツールとして次第に当たり前となりつつあるCAE。2004年秋に相次いで新製品が登場した。CAEベンダーは異なるソルバを統合的に扱える環境を目指すとともに,大容量化しつつある解析データの管理にも目を向けている。

CAEのオフィスソフト目指す

 CAEベンダーの雄,米MSC Software社は「SimOffice」による製品の統一とデータ互換性の向上を目指している。SimOfficeは,構造解析ソフト「MSC.Nastran」,プリ・ポストプロセッサ「同.Patran」「同.SOFY」,物理ダイナミクス・シミュレーション「同.EASY5」,機構解析ソフト「同.ADAMS」,非線形構造解析ソフト「同.Dytran」「同.Marc」などを含むパッケージ製品。

 現在は,独立したソフト群を一つにバンドルしたに過ぎないが,目指しているのは「『Microsoft Office』のような統合化されたソフト群」(MSC Software社)。統一したユーザー・インタフェースを持ち,データの互換性を高めて,あたかも一つのソフトにようにシームレスにデータをやりとりできるようにする考えだ。

 その手始めとして2005年初めに登場するのが「SimOffice Results」。異なるソルバの解析結果を一元的に扱うポストプロセッサで,最初のバージョンでは,NVH(音響・振動解析)解析用ソフト「MSC.Akusmod」,航空機向けのデータ処理ソフト「同.Explore」のポスト処理機能を搭載する。