詳報
ついに走ったホンダの「アシモ」
3km/hでのジョギングが可能に

着地検知から姿勢制御までの応答時間を1/4にして衝撃を緩和

 ホンダは,人間形ロボット「アシモ」の次世代型を開発した。従来型との違いは(1)歩くだけでなく走れる(2)床面センサから得た周辺情報とあらかじめ記憶しておいた地図情報を照合することで経路ずれを補正しながら目的地まで移動でき,障害物を発見した場合は回避経路を取れる(3)人の動きに同調して滑らかに動ける—ことだ。

 走る速さは最高で3km/h。人間と比べればまだ足は遅いが「人間がジョギングをするのと近い動きで走れるようになった」(本田技術研究所和光基礎技術研究センター上席研究員の広瀬正人氏)。

 (1)の走りを実現できたのは,大きくは二つの課題を解決できたためだ。その一つは,足のけり・振り出し・着地といった走りの一連の動作を短い周期で繰り返し,さらに着地時の衝撃を吸収できるようにすること。もう一つは,足が地面から離れる直前や地面に着いた直後に発生しやすいスリップやスピンを防止することだった。