2004年における家庭用インクジェット・プリンターの国内市場で,8年ぶりにセイコーエプソンを抜いて首位に立ったキヤノン。ところが,そのキヤノンの収益を大きく揺るがす判決が2004年12月8日に東京地方裁判所から下された。使用済みとなった純正のインク・カートリッジに,第三者が再びインクを充填して販売したリサイクル品は「特許侵害に当たらない」という判決だ。もちろん,同社はこの判決を不服とし,2004年12月21日に東京高等裁判所に控訴したが,仮に判決がこのまま覆らなければ,これまで純正品が寡占してきたインク・カートリッジ市場に他社が手掛けたリサイクル品の台頭を許すことになりそうだ。