ホンダは2013年11月、栃木研究所で「Honda Meeting 2013」を開催し、開発中のパワートレーンや安全技術を公開。3種類のターボチャージャ付き直噴ガソリンエンジンや、「Acura RLX」「同NSX」に積むハイブリッドシステム「SH-AWD」を披露した。

 将来技術として目新しかったのは、排気量1.0L、1.5L、2.0Lと3種類をそろえた直噴ターボエンジンだった。1.0Lだけは昨年公開したが、1.5Lと2.0Lは初公開。このうち2.0Lは2015年に欧州で発売する「Civic Type R」の部分改良車に搭載する予定で、他のエンジンの実用化はその後になる(図1)。

 1.0Lと1.5Lはそれぞれ、「フィット」に搭載する1.3L、1.5Lエンジンをベースとしたもの。1.0Lは1.3Lの4気筒を3気筒にして排気量を縮小し、1.5Lは部品を流用している。いずれも、吸排気の可変バルブタイミング機構と可変バルブタイミング・リフト機構の「VTEC」を採用するとともに、小型のターボチャージャを使って、低回転からトルクが立ち上がるようにした。1.0Lは、1.6~1.8Lクラスの自然吸気エンジン、1.5Lは1.8~2.4Lクラスの置き換えを想定する(図2)。

以下、『日経Automotive Technology』2014年1月号に掲載
図1 栃木研究所のテストコースで開催した「Honda Meeting 2013」
図1 栃木研究所のテストコースで開催した「Honda Meeting 2013」
2015年発売予定の「Civic Type R」の試作車は排気量2.0L直噴ターボエンジンを搭載。
図2 排気量1.5Lの直噴ターボエンジン
図2 排気量1.5Lの直噴ターボエンジン
圧縮比は10.6で、最高出力は150kW、最大トルクは260N・m。