レールの下に敷かれている黒い板は合成ゴム製の「軌道パッド」と呼ばれるものだ。列車からの衝撃を和らげる役割を持つ。レールを支える枕木と砕石(バラスト)がコンクリート床版(スラブ)に変わったことから、最近重要さが増している。課題は、寒冷地などの低温環境で硬くなってしまうこと。

 そこで鉄道総合技術研究所は、新幹線の北海道延伸などに備えてエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)やスチレン・ブタジエン・ゴム(SBR)といった低温特性に優れた材料を採用するとともに、ゴム自体にもう1つある工夫を凝らした。

 その工夫とは一体何か?


〔以下、日経ものづくり2013年10月号に掲載〕