トヨタ自動車レクサスセンター チーフエンジニアの古山淳一氏
トヨタ自動車レクサスセンター チーフエンジニアの古山淳一氏
海外工場の生産技術支援、「ランドクルーザー」や「ハイエース」などのシャシー設計、幅広い車種の製品企画を手がけ、2008年にレクサスセンターに異動、新型「レクサスIS」のチーフエンジニアを努めた。 写真:水川尚由

 トヨタ自動車が1989年にレクサスブランドを米国で導入してから16年を経て、日本にも同ブランドを導入したのが2005年のことである。その際、まず投入したのが「GS」「SC」「IS」の3車種であった。そのISが、ことし5月に初めての全面改良を迎えた。新型ISのCE(チーフエンジニア)を担ったのは、製品企画の古山淳一である。

 古山は、名古屋大学工学部機械学科で自動車工学を専攻した。

 「クルマが好きで、自動車部に入っていましたが、工学部に進んだのは、文系の科目、古文や漢文、現代国語などが苦手で、そういう科目の試験がなかったからです(笑)。子どもの頃は、通りかかるクルマの名前をすべて言えたと母はいうのですが、自分では覚えていません…」

やはり開発の仕事がしたい

 トヨタ自動車に入社した理由はあっさりしたものだ。

 「出身が名古屋なので地元ですし、自動車業界トップの会社ですから、就職担当の教授が受けてみたらと言い、受かったので入社を決めました」

 1979年の入社後は、販売研修と工場実習を経て、当時の海外技術部に配属となった。

 「ノックダウン生産をしている東南アジアの工場の、生産技術支援というような仕事です。そこに数年いて、やはり開発の仕事がしたいと思い、言い続けて、1982年に新車開発の部門に異動しました」

 シャシー設計に配属され、4輪駆動車の「ランドクルーザー」担当となった。そこではほかに「ハイエース」や「ハイラックス」などを開発していた。古山は、サスペンションや燃料タンクなどの設計に関わりながら、ラダーフレームを持つクルマの経験を積んでいった。

以下、『日経Automotive Technology』2013年11月号に掲載