ドイツDaimler社は2013年8月、日本市場向けにMercedes-Benzブランドの新型「Sクラス」を発表した(図1)。最も安いモデルを1モータ式のパラレルハイブリッド車(HEV)として11月上旬から納車する。価格は1090万円から。

 国内ではガソリン車の「S400 HYBRID」をエントリーモデルとした。欧州で最も安いのはディーゼル車の「S350BlueTEC」。価格は従来の日本市場向けガソリン車「S350」の1075万円を15万円上回るもののほぼ同等。HEV同士で新旧を比べると、従来の1270万円から大幅に値下げした。一方、モータ出力を高めたことで、NEDC(New European Driving Cycle)の統合モード燃費は15.9km/Lと約2割改善している(JC08モード燃費は未発表)。

 ハイブリッドシステムは「E400 HYBRID」と同じ。従来のSクラスではモータの最高出力が15kW、最大トルクが160N・mであったが、新型ではそれぞれ20kW、250N・mに高めた。

 エンジンは排気量3.5Lの直噴V型6気筒ガソリンエンジンで、エンジンとモータの間に湿式多板クラッチを置き、エンジンを止めて電気自動車(EV)として走れる。エンジンの最高出力は225kW、最大トルクは370N・m。EV走行の上限は35km/h。また、高速時にはエンジンを停止して惰性で走る「セーリング」モードもある。

以下、『日経Automotive Technology』2013年11月号に掲載
図1 ドイツDaimler社「Mercedes-Benz S400 HYBRID」
図1 ドイツDaimler社「Mercedes-Benz S400 HYBRID」
欧州ではディーゼル車の「S350BlueTEC」が最廉価だが、日本ではハイブリッド車を最も安くした。