フォルクスワーゲン グループ ジャパン(VGJ)は、主力車種の「ゴルフ」を全面改良して2013年6月から国内で発売した(図1)。新プラットフォーム「MQB(横置きエンジン車用モジュールマトリックス)」の採用によって、燃費を大幅に向上させたほか、安全装備も充実させた。

 新型ゴルフのパッケージングは、 全長を56mm、ホイールベースを59mm伸ばす一方で、全高は28mm低くした(図2)。なお、国内では車体寸法の登録が5mm刻みであるため、本国の資料とVGJの発表で寸法の数値が若干異なっている。56mm伸びた全長のうち、約30mmはエンジンルーム部分に費やし、残りの26mmのうち、14mmを室内、12mmを荷室の拡大にそれぞれ振り向けている。

 新型ゴルフでVolkswagen社が力を入れたのが軽量化技術。その一つがホットプレス材の大幅な採用拡大である(図3)。ホットプレス材は、加熱した鋼板を、水冷した金型で成形したもの。成形と同時に焼入れをすることによって、引っ張り強さが約1500MPaと、冷間成形の高張力鋼板が980MPa程度にとどまるのに比べて高い。

以下、『日経Automotive Technology』2013年9月号に掲載
図1 国内では2013年6月に発売となった新型「ゴルフ」
図1 国内では2013年6月に発売となった新型「ゴルフ」
ベース車種の価格は249万円と、従来よりも8万円値下げした。
図2 新型ゴルフと従来型のパッケージング比較
全長は56mm、ホイールベースが59mm伸びている一方で、全高は28mm低くなった。
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図3 新型ゴルフの車体骨格
図3 新型ゴルフの車体骨格
センターピラーやフロアトンネルなど、車体骨格へのホットプレス材(紫色の部分)の使用比率を従来型ゴルフの6%から28%へ大幅に拡大した。