写真は、1990年代から世界中の研究チームが合成技術の開発に躍起になってきた「夢の繊維」である。その正体は、クモ糸。比強度が高張力鋼の4倍で、同時にポリアミド(PA)よりも高い伸縮性を備える。強度と伸縮性を同時に兼ね備える繊維としてはアラミド繊維が知られる。しかし、このクモ糸のじん性はそのアラミド繊維の約6倍高い。しかも、原料を石油に依存しない。

 この夢の繊維を安価、かつ大量に合成する技術を日本のベンチャー企業が確立した。どうやって作った?


〔以下、日経ものづくり2013年7月号に掲載〕