エンジニアの視点
ブラック・ダック・ソフトウェア 代表取締役 金承顕
1985年カリフォルニア大学バークレー校を卒業、同年リクルート入社。情報通信事業に従事。2009年1月に米Bluck Duck Software社の日本法人を設立し、代表に就任。

 インターネット上などで無償公開されているオープン・ソース・ソフトウエア(OSS)が、モバイルや、クラウドを通して様々な業界で大きな変革をもたらしている。ソースコードの改変が自由なため、スピーディーに、高品質のソフトウエアを、低コストで開発できるのが魅力だ。インターネット上の様々なディレクトリ、コミュニティ、開発団体のサイトには、すでに100万近いOSSプロジェクトが存在する。

 最近の米IDC社の調査によると、日本企業のOSS導入率は25%、従業員5000人以上の企業では実に37%を超えている。「オープン」な環境に足踏みをしていた金融や政府系のシステムにも多く利用されてきている。また、当社が共同で実施した米国での調査では、今後政府機関、医療業界、報道機関、金融機関に次いで自動車業界でのOSS利用がさらに増えると予測されている。

実際、OSSは自動車業界で、特に車載情報システムの分野で使用が拡大しつつある。

以下、『日経Automotive Technology』2013年7月号に掲載