デンソーが、自動車向けアプリケーションの開発コンテストを開催した。自動車とスマートフォンを連携する取り組みが広がることが背景にある。同社はコンテストを通じて何を得たのか。

 クルマのアプリ開発に第三者を巻き込もうとする動きが引きも切らない。米Ford Motor社は2013年1月、自動車向けのアプリを作りやすくするSDK(Software Development Kit)を公開した。米GM社も同様の試みに関心を示している。トヨタ自動車は、小型スポーツ車「86」の車両情報を使ったスマホアプリを第三者が開発できる装置を2013年末に発売する計画だ。各社は、多くのアプリ開発者を巻き込んで魅力的な自動車向けアプリが生まれれば、車両の商品力を高められると見込む。

 こうした一連の動きに先鞭をつけたのがデンソーである。2010年にカー・ナビゲーション・システムとスマートフォンを連携するアプリ「NaviCon」を開発(図1)。2012年春には第三者がNaviConと連携するアプリを開発しやすくするAPI(Application ProgrammingInterface)を公開した。自動車業界以外のアプリの開発者をいち早く巻き込んでNaviConを中心とした“生態系”を築く狙いがある。

以下、『日経Automotive Technology』2013年7月号に掲載
図1 NaviConでカーナビとスマートフォンをつなぐ
図1 NaviConでカーナビとスマートフォンをつなぐ
デンソーが2010年に開発した。位置情報をカーナビとスマートフォンで簡単にやり取りできる。既に250本を超えるアプリ、40機種のカーナビが対応する。