2013年4月の「上海モーターショー2013」。展示面積は28万m2と過去最大だった前回から約2割も増えた(図1)。今や世界最大級の展示会で、各社が出展した車両の総数は1300台に上る。そのなかで気を吐いていたのが日系メーカーである。尖閣諸島問題の影響で2012年は各社が中国での販売台数を落としたが、2013年は巻き返すとばかりに鼻息が荒かった。

図1 上海モーターショーの会場風景
図1 上海モーターショーの会場風景
「上海新国際博覧中心(Shanghai New International Expo Center)」が会場。上海中心部から地下鉄で15分ほどで着く。

 日系メーカー各社が、日本車の不買運動の影響は「ほぼなくなってきた」と口を揃え、反転攻勢に出る環境が整った。目立ったのがホンダだ。4車種の新車やコンセプト車を出展した。トヨタ自動車、日産自動車、スズキも多くの新車を披露。一方で欧米系は、新車発表よりも既存の車種を大量に展示することに力を割いた。ブースはさながら81万人超の来場者に向けた“販売店”といった様相を呈していた。地元の中国勢の出展車両は最近の傾向と大きく変わった。昨年の北京ショーまで多かった電動車両はほとんどなく、代わってダウンサイジングエンジンを見せていた。

以下、『日経Automotive Technology』2013年7月号に掲載