プジョー・シトロエン・ジャポンは、7人乗りミニバン「5008」を発売した(図1)。日本に3列シートミニバンを導入するのは同社としては初めて。多彩なシートアレンジを可能にしたほか、先進的な安全装備も備える。

 「5008」のベースとなっているのはCセグメント車の「308」で、プラットフォームも308と同じ「プラットフォーム2」を使っている(図2)。ただし、ハッチバック車の308に対して、ミニバンの5008では、プラットフォームを大幅に変更しており、むしろ構造としては、同じく308をベースとしたクロスオーバー車の「3008」に近い。

 具体的には、エンジンルーム周りのフロントサイドフレームからフロア下につながる補強材、および前席下のフロア周りの構造は308と共通だが、フロントのストラットハウジングや、エンジンルーム隔壁の形状は308と異なり、3008と共通である。また、バンパーからの衝撃を吸収するクラッシュボックスには、円錐形の部材の中に円筒が押し込まれて、円錐形の部材が変形するのを利用して衝撃を吸収する構造を採用した。これも308にはなく、3008から採用している構造だ。

以下、『日経Automotive Technology』2013年7月号に掲載
図1 フランスPeugeot社の「5008」
図1 フランスPeugeot社の「5008」
プジョー・シトロエン・ジャポンが日本に初めて導入し た7人乗りミニバン
図2 5008の車体構造
図2 5008の車体構造
Cセグメント車「308」の「プラットフォーム2」をベースとしながらも大幅に変更されている。