日経テクノロジーオンライン
雑誌 2013年4月号 グローバルセンス

日本メーカーのものづくりを再考するための サムスン競争力の研究

【第1回】「どう造るか」より「何を造るか」、日本メーカーより高くても売れる

吉川良三●東京大学大学院経済学研究科ものづくり経営研究センター
2013/03/27 17:25
 
グローバルセンスは、視野を世界へと広げるために必要なさまざまなテーマを、全ての技術者を対象にして紹介するコラムです。2013年4月号からは、韓国Samsung Electronics社の躍進の要因を明らかにし、それを基に日本のものづくりを考察する元同社常務の吉川良三氏の解説を掲載します。

 韓国Samsung Electronics社は、1997年に韓国がアジア通貨危機により国際通貨基金(IMF)の救済を受けた際に、倒産の危機に瀕していた。そのわずか15年後の2012年には売上高17兆円、営業利益2兆5000億円(利益率14.7%)と非常に大きな変身を遂げた。そして今、半導体、携帯電話機/スマートフォン、テレビといった製品分野の世界市場で、日本メーカーを大きく凌駕している。

 こうした華麗な変身ができた最大の理由は、Samsung Electronics社が2000年以来のグローバリゼーションの動きに的確に対応し、世界各地のニーズを満たす製品を造り続けてきたことにある。

 筆者は1994年から約10年間Samsung Electronics社に在籍し、同社が成功を収めるまでの過程を内部で直に見てきた。日本ではしばしば、ウォン安誘導や各種の優遇策など韓国の国を挙げての支援にその要因を求める声が上がる。だが、それだけではこれほどの成功と、同時に生じた電機分野を中心とする日本メーカーの地盤沈下を説明することはできない。

 一方で、現時点では飛ぶ鳥を落とす勢いであるとはいえ、SamsungElectronics社もまた多くの弱点を抱えている。本連載では、SamsungElectronics社の事例を基に、日本メーカーが再び成長軌道を歩むために、どのような方向に進むべきかを考えていきたい。
〔以下、日経ものづくり2013年4月号に掲載〕

吉川良三(よしかわ・りょうぞう)
東京大学大学院経済学研究科ものづくり経営研究センター
1964年日立製作所に入社後、ソフトウエア開発に従事。1989年に日本鋼管(現JFEホールディングス)エレクトロニクス本部開発部長として次世代CAD/CAMを開発。1994年から韓国SamsungElectronics社常務としてCAD/CAMを中心とした開発革新業務を推進。帰国後、2004年より日本のものづくりの方向性について研究。著書に「サムスンの決定はなぜ世界一速いのか」「勝つための経営」(共著)などがある。

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