【調査テーマ::「強い工場」の条件】
日経ものづくりでは2013年、本誌や各種イベントを通じて日本の工場を応援するプロジェクトを推進している。その「応援のしどころ」を正しく見据えるために選んだ調査テーマが、「日本の工場が強くあるために必要な条件とは何か」。調査結果から見えてきたのは、海外工場にない日本の強み、すなわち、オンリーワンの製品を造れる技術力だ。海外工場と同じ調子で価格競争に踏み込んでも勝ちようがないのは自明。日本の強みをさらに磨くことこそが、強い工場の条件なのである。(池松由香)

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Q1:強い工場と聞いて、すぐに頭に思い浮かべる工場はどれか

 何の先入観もなく、ただ「強い工場」と聞いて何を思い浮かべるか。それこそが、日本の技術者たちの考える強い工場だと想定し、調査の冒頭でこの質問をぶつけた(3つまで選択)。すると、半数以上の実に58.6%の人が、「そこでしか造れない製品を造る工場」と答えた。いわば“オンリーワン型”だ。「売上高を拡大する工場」(3.3%)や「生産量を拡大する工場」(2.5%)などの“規模拡大型”の選択肢に比べ、回答数が圧倒的に多かったのである。併せて、「高い技能を持つ人材を育てる工場」(43. 6 %)や「抜きんでた品質で生産できる工場」(40.4%)、「働く人が生き生きとしている工場」(37.1%)も多かった。
〔以下、日経ものづくり2013年4月号に掲載〕