長引く欧州の信用不安を反映してか、今回のジュネーブモーターショー(83eSalon International de l'Auto etaccessoires)では、主力車種の全面改良はほとんど見られず、既存の車種をベースに派生車種やボディタイプを追加するという手堅い手法で開発された車種が、新型車では大半を占めた。一方で、このショーの華であるスーパーカーは多くのメーカーが出展した(図1)。

図1 ジュネーブモーターショーの会場
図1 ジュネーブモーターショーの会場
プレスデーに最も報道関係者の注目を集めたイタリアFerrari社の「LaFerrari」

 今回のショーで環境技術面で注目されたのはドイツVolkswagen社が出展した超低燃費車「XL1」と、フランスPeugeot社が出展した空圧を利用したハイブリッドシステムである。新型車としては、Bセグメントの車種をベースとしたクロスオーバー車の投入が目立ったほか、既存の車種にワゴン車を追加するメーカーも多かった。コンセプト車の出展は全体に少なかったが、その中でトヨタ自動車の超小型2人乗り電気自動車(EV)が報道関係者の注目を集めた。スーパーカーではイタリアFerrari社と英McLaren社が、それぞれ最新のハイブリッド車を出展した。

以下、『日経Automotive Technology』2013年5月号に掲載