ゼネラルモーターズ・ジャパンは、「キャデラック」ブランドの後輪駆動セダン「キャデラックATS」を発表した(図1)。価格は「ラグジュアリー」が439万円、「プレミアム」が499万円。日本市場では、まずラグジュアリーを3月に発売、プレミアムは5月に発売する予定。

日本で発売する車種は排気量2Lの直噴ターボ過給4気筒エンジンを積む6速自動変速機仕様で、左ハンドルのみ。寸法は全長4680×全幅1805×全高1415mm、ホイールベースは2775mm、車両質量は1580kg以下。

 

 ホワイトボディの質量は301kg(図2)。このうち6%が1200~1500MPaのホットプレス鋼で、A、Bピラーなど形状が複雑な場所に使った。12%が900~1300MPaの冷間圧延鋼で、サイドシルなど断面形状の変化の少ない部位に使った。13%が590~980MPaのDP(2相)鋼で、フロント・サイド・フレームの後半など、エネルギを吸収させたい部材に使った。43%が300~ 390MPaのBH(焼き付け強化)鋼で、床など、疲労に敏感な場所に使った。22%が260~270MPaの軟鋼板で、それ以外のパネルに使った。

以下、『日経Automotive Technology』2013年5月号に掲載
図1 「キャデラックATS」
図1 「キャデラックATS」
左ハンドルのみの設定だ。
図2 素材の使い分け
図2 素材の使い分け
(1)高張力鋼(HSS)と超高張力鋼(UHSS)を使うことで、強固な乗員保護の骨格を構成する。(2)ストラットマウントはAl 製。(3)衝突エネルギを吸収する前後のクラッシャブルゾーン。(4)ドアビームとサイドシルを補強。(5)乗員への被害を最小限に抑えるため、A、Bピラーを強化した。