ドイツDaimler社の日本法人であるメルセデス・ベンツ日本は2013年1月、小型車「Aクラス」を国内で発売した(図1)。初代から続いていた高いフロアを廃止して車高を下げ、「スポーツ性を強調する」(同社)形にしたことが特徴である。販売価格は284万円から。
新型Aクラスは3代目で、2012年に発売した「Bクラス」とプラットフォームを共有する。
高いフロアをなくしたのは、競合車であるドイツBMW社「1シリーズ」やAudi社「A3」が「スポーツ性」をウリに販売台数を伸ばしているからだ。高いフロアにすれば車高は上がる。Daimler社はスポーツ性を打ち出しにくいことが「先代Aクラスの販売台数が伸び悩んだ原因の一つ」と考えた。
新型は車高を先代と比べて160mm下げて1433mmとする一方で、全長を405mm伸ばして4292mmにした(図2)。「重心が低く見えてスポーツ性の高い外観」(Daimler社)を実現したとする。これで競合車に負けない商品力を実現することに加えて、同社はAクラスのユーザーの若返りを狙う。「先代の主なユーザー層は50歳代。それを10歳程度若返らせたい」(同社)という。