新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2月、複数のトラックを操舵制御と速度制御によって自動運転し、短い車間距離でも隊列走行できるようにした技術成果を産業技術総合研究所つくばセンター北サイト(茨城県つくば市)のテストコースで公開した。

 今回の成果は、2008年度から5カ年計画で実施したNEDOのプロジェクト「エネルギーITS推進事業」によるもの。総予算は約44億円である。同プロジェクトでは、2010年9月に大型トラック3台で車速80km/h、車間15mの隊列走行による成果を公開していたが、今回は大型トラック3台、小型トラック1台の合計4台で車速80km/h、車間距離4mの隊列走行を自動運転により実現した(図1)。

 車間距離を短くすることで、中間車両の空気抵抗が減少し、隊列走行するトラック4台の平均で燃費が15 %以上向上するという。車間距離4mでの隊列走行では同乗できなかったが、10mの実験では同乗して実際に自動運転している様子を見学できた(図2)。

以下、『日経Automotive Technology』2013年5月号に掲載
図1 車間距離4mで自動運転・隊列走行するトラック
図1 車間距離4mで自動運転・隊列走行するトラック
80km/hで自動運転する先頭車に、残りの3台が追従する。
図2 自動運転・隊列走行の先頭車。運転者は操舵していない
図2 自動運転・隊列走行の先頭車。運転者は操舵していない
自動運転・隊列走行に入ると、後続車だけでなく先頭車の操舵も自動となる。