自動車メーカー各社から発表が相次ぐPHEV(プラグインハイブリッド車)。2013年には、3メーカーから新型車が登場し、既に発売していたトヨタ自動車、米GM社と合わせて合計5社から選べるようになった。しかし、それぞれのモータ出力、EV(電気自動車)走行距離といった特徴は、いずれも大きく異なる。本命のPHEVはどれか、各社の考え方を見ていく。

 2013年になって、PHEV(プラグインハイブリッド車)の投入が相次いでいる。1月に三菱自動車が国内で「アウトランダーPHEV」を発売し、ホンダも同月に米国で「Accord Plug-In(日本名アコード プラグイン ハイブリッド)」の販売を始めた。初夏には同じシステムを使うHEV(ハイブリッド車)とともに日本市場にも導入する。また、米FordMotor社はHEVの電池容量を増やした「C-MAX Energi」「Fusion Energi」を2013年初めから米国で発売している(表)。

 ここにきて主要メーカーがPHEVに本格的に取り組んでいるのには二つの理由がある。一つは、HEVやEV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)に移行する電動化の流れのなかで、航続距離やインフラストラクチャーの問題によってEVやFCVの普及が遅れており、PHEVへの期待が高まっていること。

 もう一つは、カリフォルニア州の「ZEV(Zero Emission Vehicle)」規制への対応だ。同規制の最終的な目的は排ガスの出ないZEV(EVやFCV)を増やすことだが、ZEVだけで規制をクリアすることは難しい。そこで、各社ともPHEVなどの「AT-PZEV(AdvancedTechnology-Partial ZEV)」も組み入れて規制を達成しようとしている。

 特に2018年モデル(2017年秋発売)からは、より多くのZEVを販売することが求められ、規制の対象となるメーカーも従来の6社から12社に増える。大手はもちろん、中堅メーカーもEVやPHEVに取り組む必要に迫られている。

以下、『日経Automotive Technology』2013年5月号に掲載
表 最近登場した主なPHEV
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