二つの勢力が誕生

 燃料電池車(FCV)を巡る動きが加速している。2013年1月24日、FCVを「究極のエコカー」と位置付けるトヨタ自動車が、ドイツBMW社にFCVの技術を供与し、共同開発することで正式に合意した。そのわずか4日後の1月28日には、日産自動車-RenaultグループとドイツDaimler社、米Ford Motor社が提携し、日米欧連合でFCVの開発に取り組むことを明らかにした。FCVの開発費抑制や、部品共通化によるコスト低減などによって、早期の量産・普及を目指す。

 現在、FCVの開発で先頭を走っているのがトヨタ自動車である。同社は2015年にもセダン・タイプのFCVを投入すると公言している。技術の核となる燃料電池スタックは「現時点で世界最高となる3kW/Lの出力密度」(同社)を達成している。さらに、燃料電池スタックに必須だった加湿モジュールを不要にした他、水素タンクの内製化など、市販化に向けて着々と準備を進めている。

『日経エレクトロニクス』2013年2月18日号より一部掲載

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