トラブルが相次ぎ、ついには2次電池の過熱・発煙で運航停止となった「Boei ng787 」。部品やモジュールの製造には多くの日本メーカーが関わっており、事故調査や引き渡し停止が長引けば、日本メーカーにも影響を与えかねない。

初期だからでは済まない

 787型機は、炭素繊維強化樹脂を採用するなどした最新鋭機。リチウム(Li)イオン2次電池(LIB)の採用も民間機としては初めてだ。2011年秋に全日本空輸(ANA)が世界に先駆けて商業路線に投入した。

 しかし、就航間もないこともあってかトラブルが相次いだ。2013年1月8日(日本時間9日)に、米ボストン空港の滑走路を走行中の日本航空(JAL)007便で燃料漏れが発生した。同月13日には成田空港に戻った同じ機体から整備中に再び燃料漏れが起こった。この他、ブレーキトラブルや潤滑油漏れ、操縦室の窓ガラスにひびが入るなどのトラブルも報告されている(表)。

 もっとも、「燃料漏れや窓ガラスのひび、タイヤなどのトラブルは初期トラブルとして新型機には付きもの」(元航空機技術者でノンフィクションライターの前間孝則氏)
〔以下、日経ものづくり2013年2月号に掲載〕

表●就航後に発生したBoeing787の主なトラブル・事故
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