車輪を保持し、適正なアライメントを実現するために不可欠な、サスペンションに使われるサブフレームやアームを生産するのがヨロズだ。日産自動車「GT-R」のような高性能車からホンダ「N BOX」のような軽自動車まで幅広い車種を対象とし、軽量かつ低コストな部品を開発している。

 サスペンション部品の役割は大きく分けて四つある。車輪の保持、適正なアライメントの実現、ブシュを介した締結による振動・騒音の抑制、サスペンションストロークの規制である。
 ヨロズの造る部品は、サブフレームやトーションビームなどの大型部品から、小さなアームまで多岐にわたる。最大の部品では長さが1m以上になるが、各種の部品を溶接した後の寸法精度は0.5~1.5mm、角度精度は0.1~0.25度という高い水準が求められる。また、車体の下部に取り付けるため、腐食に対する耐久性も必要だ。
 当然この分野でも、高性能化、軽量化、低コスト化の要求が高まっている。高性能化の一例ではGT-Rのサブフレーム(図1)がある。鋼管を多用して溶接箇所を少なくして軽くしながら、ボディへの締結点を6カ所と多くして高い剛性を実現した。

以下、『日経Automotive Technology』2013年3月号に掲載
図1
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