マツダ車両開発本部車両システム開発部主幹の高橋正好氏
マツダ車両開発本部車両システム開発部主幹の高橋正好氏
入社以来一貫して電気システムの開発を手がけ、今回はキャパシタを使った減速エネルギ回生システム「i-ELOOP」の開発の責任者を務めた。

 2012年11月に全面改良して3代目となったマツダ「アテンザ」に、減速エネルギ回生システム「i-ELOOP」が搭載された。電力貯蔵のため、車載用として初めて電気二重層キャパシタを使ったのが特徴だ。この開発においてリーダーを務めたのが、車両開発本部車両システム開発部主幹の高橋正好である。
 「入社以来、だいたい5年ごとに部署を異動し、そのたびに新しく面白いことをやってきました」
 こう話す高橋の電気技術との出会いは、小学生時代に遡る。
 「父は、当時の広島県のCSI(科学捜査研究所)の所長で、ものづくりの好きな人でした。忘れもしない、私が7歳のとき、NHKがAMラジオの第一放送と第二放送を使ってステレオの試験放送をしたのを、『これがステレオ放送というものだ』と、父が聞かせてくれたのです。音声の立体感に驚き、電気の道は面白そうだと、そのとき思いました」

以下、『日経Automotive Technology』2013年3月号に掲載