世界最大のエレクトロニクス機器の展示会である「International CES 2013」(図1)。急速に進む自動車の電子化を背景に、自動車関連メーカーが積極的に出展した。注目を集めたのが米FordMotor社である。これまで自動車メーカーしか扱えなかった車両の制御情報を使ったアプリケーションを誰もが開発できるソフトウエア開発基盤(SDK:software development kit)を公開した。

 Ford社は、SDKを含めた開発者向けの一連のシステムを「Ford DeveloperProgram」と呼ぶ。開発できるアプリはスマートフォン向けで、専用の車載器とつなぐことで車両情報を扱える(図2)。接続には有線のUSBや近距離無線通信のBluetoothを使う。まずは米国向けだが、2013年内に欧州とアジアでも提供を始める計画だ。
 現時点では車載器の音声や音楽、モニタの表示機能などと連携することしかできない。数カ月後を予定するSDKの更新後、車速やステアリングの舵角など、車載LANであるCAN(ControllerArea Network)に流れる制御情報(CAN情報)を使えるようにする。

以下、『日経Automotive Technology』2013年3月号に掲載
図1 CESの会場
図1 CESの会場
「Las Vegas ConventionCenter」の一部。巨大な会場に3000社超が出展する。
図2 Ford社の車載器
図2 Ford社の車載器
公開したSDKを使えば、車載器と連携するスマートフォン向けのアプリケーションを誰もが作れる。