FPGA(Field Programmable Grid Array)と呼ばれる、製造後にユーザーが機能を書き換えできる半導体が、車載電子システムで台頭する機運が高まってきた。その背景にあるのが、ADAS(先進ドライバー支援システム)など、複雑な画像処理が必要で計算量の多い車載電子システムが増加していること。開発投資が低くて済み、システムの開発期間を短縮できるFPGAを採用するメリットが大きくなっている。

 FPGAの世界シェアで合計8割程度を占める米Altera社と同Xilinx社が、相次いで自動車分野に力を入れ始めた。Altera社の日本法人である日本アルテラは2013年1月に都内で開催された「第5回 国際カーエレクトロニクス技術展」に初めて出展、同社のFPGA「CycloneIV」にカメラとレーダを組み合わせたセンサフュージョンによる衝突防止警報や車間距離維持機能付きACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)などのADASのデモを実施した(図1)。
 92万画素(1280×720)という高解像度のカメラとレーダを組み合わせ、FPGAの画像処理能力の高さや、レーザレーダ、超音波センサ、赤外線カメラなど様々なカメラ、センサに対応できる柔軟性をアピールした。

以下、『日経Automotive Technology』2013年3月号に掲載
図1 日本アルテラのカメラとレーダを組み合わせたADASのデモ
図1 日本アルテラのカメラとレーダを組み合わせたADASのデモ
「第5回 国際カーエレクトロニクス技術展」に出展したもの