産業革新機構が3分の2を超える大株主に

 ルネサス エレクトロニクスへの官民による支援が決定した。同社は2012年12月10日、産業革新機構および顧客企業8社を割当先とする第三者割当増資によって資金を調達することを発表した。顧客企業8社とは、トヨタ自動車、日産自動車、ケーヒン、デンソー、キヤノン、ニコン、パナソニック、安川電機である。

 調達資金総額は1500億円。産業革新機構がこのうち92.2%に当たる1383億5000万円を出資し、経営上のサポートも行う。残る116億5000万円の内訳は、トヨタ自動車が50億円、日産自動車が30億円、ケーヒンとデンソーがそれぞれ10億円、キヤノン、ニコン、パナソニックがそれぞれ5億円、安川電機が1億5000万円となっている。将来さらに成長資金が必要となった場合には産業革新機構が追加で500億円までの出資または融資をするとしている。

 これまでルネサスの株主構成は、NEC、日立製作所、三菱電機の3社が合計で91.13%を占めていた。増資後は産業革新機構が69.16%と、全体の3分の2を超える支配的な株主となる。「産業革新機構が大半の株を得たことで、(複数の株主の意見に左右されることなく)大胆に意思決定できるようになる」(産業革新機構 代表取締役社長の能見公一氏)という。

『日経エレクトロニクス』2012年12月24日号より一部掲載

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