外気を利用する排熱式データセンター
(図:NTTコムウェアの資料を基に本誌が作成)

 NTTコムウェアは、外気冷却を導入した「排熱式データセンター」の運用を2012年11月から開始した。同社はこれまで進めてきた実証試験により、年間を通して安定運用が可能であることを確認してきた。まずは社内クラウド・サービスから運用を始め、順次サービスを拡大する計画である。

 同社の排熱式データセンターの最大の特徴は、データセンター全体の電力効率を示すPUE(power usage effectiveness)が1.02と非常に低いこと。冷却装置を一切使用せず、IT機器から発生する熱を屋外に排出する外気空調方式を採用した。

 PUEの向上に加えて、空調機器が不要なことや、ラック内UPS(無停電電源装置)とすることで、空間の利用効率を高めた。実際、今回のデータセンターでは90m2の面積で、約1000台のサーバーを設置可能である。これに対して、空調機器や大型UPSを設置する従来のデータセンターでは300台程度にとどまるという。

 さらに、設置と運用に掛かるコストを、従来のデータセンターに比べて45%削減できると試算している。空調機器の設置費用と電気代の削減に加えて、空間利用効率の向上によってフロア利用費も低減する。

『日経エレクトロニクス』2012年12月10日号より一部掲載

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