特集1で取り上げたように、図面に起因したトラブルが増加している。設計側から提出する図面には、ものづくりの現場で必要となる情報が過不足なく記されていなければならない。ところが、やり取りされている図面の多くの品質が不十分だという実態が明らかになった。単に図面の品質が低下しているだけではなく、求められる品質が高まっていることから、その差が広がってきているのだ。(中山 力)

 日々の業務で取り扱う図面の品質(内容と描き方)が不十分、つまり、製造部門などの受け手側から要求される品質に、実際の図面の品質が追い付いていない。そのため、品質を高める必要があると「大いに感じる」回答者は半数を超える。「少し感じる」(36.0%)を加えれば、実に88.9%が図面の品質を高める必要性を感じていた。なお、図面への立場(出し手か受け手)が違っても、この回答結果の傾向は大きく変わらなかった。

〔以下、日経ものづくり2012年12月号に掲載〕