マツダは11月20日に「アテンザ」を全面改良して発売した。新型アテンザは、「CX-5」に次いでマツダの次世代技術「SKYACTIV」を全面的に採用したほか、蓄電装置に乗用車としては初めてキャパシタを採用した運動エネルギ回生システム「i-ELOOP」を全車に搭載した。

 新型アテンザでは、先代アテンザと比べていくつか特徴的なことがある。一つは車体寸法だ。新型アテンザのセダンは全長4860×全幅1840×全高1450mm、ホイールベース2830mmで、先代アテンザに対して全長で125mm、全幅で45mm、全高で10mm、ホイールベースで105mm、それぞれ大きい(前輪駆動車同士の比較)。
 興味深いのはワゴン(図)の車体寸法が全長4800× 全幅1840× 全高1480mm、ホイールベースが2750mmと、セダンよりも全長で60mm、ホイールベースで80mmも短いこと。先代アテンザは、ワゴンのほうが全長が30mm長く、ホイールベースは同じだった。
 開発担当主査の梶山浩氏は「当初はセダンとワゴンを同じ寸法で計画していた」と打ち明ける。しかし、セダンの主力市場である中国市場と米国市場では、後席の居住性が重視される。また先代のアテンザでは、北米市場向けに車体を大型化した専用モデル(全長4920×全幅1839mm、ホイールベース2789mm)があったが、新型では全世界で統一モデルを展開することから、先代より大幅に小さくするわけにはいかないという事情もあった。一方で、ワゴンは欧州が主力市場であることから、取り回し性などを考慮し、当初計画通りでの開発を進めた。

以下、『日経Automotive Technology』2013年1月号に掲載
図 新型「アテンザ ワゴン」
図 新型「アテンザ ワゴン」
セダンよりも全長で60mm、ホイールベースで80mmも短い。