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雑誌 解説

iPhone 5から読み解く、Appleの独り勝ち戦略

中核部品を徹底分析

佐伯 真也、竹居 智久=日経エレクトロニクス
2012/11/09 09:00
 

米Apple社が2012年9月21日に発売した最新スマートフォン「iPhone 5」。端末そのものに新鮮味はなく、ユーザーからは「驚きがない」との声も聞こえる。しかし、搭載部品を徹底分析した結果、「インセル」方式の液晶パネルやプロセサ「A6」に、自社の開発技術を盛り込むことで独り勝ちを目指す新しいメーカーの姿が見えてきた。

TFT基板上にセンサを形成

 米Apple社の最新スマートフォン「iPhone 5」は、「Apple史上で最も薄いディスプレイ」(同社)を搭載した。筐体表面のカバー・ガラスを含めた、ディスプレイの厚さは約2.2mm。従来機種「iPhone 4S」の約3.1mmに比べて、約0.9mm薄い。

 ディスプレイの薄型化に向けて、Apple社が新たに導入したのが「インセル」と呼ばれるパネル技術だ。これまで外付けだったタッチ・パネルの機能を液晶パネルに内蔵するものである。実現するための技術的なハードルは高く、製造が高価になるため用途が限られてきたが、iPhone 5に搭載されたことで本格的な離陸期を迎えたといえる。

 本誌では電子デバイスの解析・評価などを手掛けるエルテックと、複数のディスプレイ技術者・関係者の協力を仰ぎ、iPhone 5のインセル・パネルを分析した。そこから見えてきたのは、Apple社自らが技術開発を手掛け、それをパネル・メーカーに作らせるというこれまでにない構図だった。

Appleの特許がベース

 Apple社が採用したインセル技術は、詳細が明らかにされていないものの、ジャパンディスプレイ(旧・東芝モバイルディスプレイ(TMD))とシャープ、韓国LG Display社の3社がパネルを供給しているもようだ。

 端末メーカーの中で現在、インセル技術を推進するのは、Apple社のみ。競合他社は、筺体表面のカバー・ガラス(強化ガラス)にタッチ入力用配線を形成する「カバー・ガラス一体型」技術を導入し始めているところだ。

『日経エレクトロニクス』2012年11月12日号より一部掲載

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