解説1

家電不況の中にも光、各社の強みを武器に

「CEATEC JAPAN 2012」詳報
解説2

有機EL照明が離陸へ、メインライトが間近に

発光効率を高める技術的進展が相次ぐ
NEレポート
論文

200Wモータを駆動する
超小型インバータが登場

高橋 敏男 氏
米International Rectifier社 Executive Director
インタビュー

97歳の今だからこそ
シャープの恩に報いたい

佐々木 正 氏
新共創産業技術支援機構 理事長
インサイド

日本との協業望むHuawei
狙いは先端部品とリスク低減

ドキュメンタリー

行くしかない

富士フイルムの高級デジタル・カメラ 「FinePix X100」の開発(第5回)
NEアカデミー
現地レポート 日本のメガソーラー(第3回)

雪の影響を受ける新潟県
対策はモジュール角度の変更

NEセレクション
デジタルヘルス(第2回)

健康・介護へのエレ技術の浸透を
CEATECと福祉機器展に見る

クローズアップ
  • モバイル:買収攻勢に出たソフトバンク、iPhone用にイー・アクセスの帯域活用
  • ディスプレイ:パナソニックが超小型プロジェクター、「世界最小」の緑色レーザで薄型化
  • デジタルヘルス:“ポストda Vinci”目指し、医療ロボット開発が進む
技術者の本棚: 私が好きな本 『ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書』

現場の技術者が考えてほしいのは
「技術の出口」と「顧客」

キーワード

SOFC

編集長から

 EthernetとUSBを電力供給の用途で利用する――。「今さら、何を言っているのか」と思われる方々も多いでしょう。Ethernetは「Power over Ethernet(PoE)」の規格があり、IP電話機や監視カメラ、無線LANのアクセス・ポイントなど一部の用途で利用されています。USBは、キーボードやマウス、外付けHDDといったパソコンの周辺機器を中心に、データの送受信だけでなく電力を供給する用途で活用されています。確かに、既にEthernetとUSBでの電力供給自体に驚きはありません。では、「100W前後の電力を供給できる」となれば、皆さんはどのように感じるでしょうか。

 EthernetやUSBで100W前後を供給できるようになると、照明器具やパソコン、30型程度の液晶テレビ、据え置き型ゲーム機など電力供給可能な機器の種類は大きく広がります。家庭とオフィスにある電力用の“コンセント”が大きく姿を変えるまで進むと踏んでいます。例えば、コンセントはEthernetとUSBの接続口だけで、ここにつなげば電力もデータのやり取りもできるオフィス・ビルが登場する可能性があります。家庭では、テレビや光ディスク装置、ゲーム機といった、いわゆる「黒物家電」をUSBコンセントで動作させることができるでしょう。今号の特集は、EthernetやUSBで100W前後を供給できるインパクトや規格の詳細、先導的に開発を進めるメーカーの取り組みなどを解説します。

 この他、最新号では、2012年10月2~6日に開催された「CEATEC JAPAN 2012」、そして有機ELに関する解説をそれぞれ掲載しています。前者の解説「家電不況の中にも光、各社の強みを武器に」では、依然として苦しい状況にある日本メーカーが成長の芽を着実に育てている姿を紹介します。後者の有機ELについての解説「有機EL照明が離陸へ、メインライトが間近に」では、発光パネルの製品化が進んでも市場は拡大せず、長い助走路に立ち止まっていた有機EL照明が転換点を迎えたことを報告します。技術的進展も顕著になってきました。

 最新号では、新共創産業技術支援機構の理事長である佐々木正氏へのインタビュー記事も掲載しています。佐々木氏は、かつて電卓の開発などでシャープの発展に大きく寄与したことで知られます。業績不振や台湾・鴻海精密工業との提携などで揺れるシャープへの思いや、同氏が立ち上げた研究開発志向型のNPOの狙いなどを語っていただきました。

 いずれの記事も誌面だけではなく、「日経エレクトロニクスDigital」(http://techon.nikkeibp.co.jp/NED/)にて全文を掲載しています。スマートフォンやパソコン、タブレット端末で本誌の記事全文をお読みいただくことが可能です。今回の日経エレクトロニクスDigital特別企画は、有機EL照明です。さまざまなシーンで日経エレクトロニクスをご活用ください。

日経エレクトロニクス編集長  大久保 聡

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