欧州ジャーナリストの視点
フリーランス・ジャーナリスト Ian Adcock氏
英国在住。『What Car』『Autocar』『Motor』などの自動車専門誌の編集者を経て、1980年からフリーに。自動車技術専門誌の『European Automotive Design』誌に寄稿するなど技術にも詳しい。

 42年前に発売された英Land Rover社の初代「レンジローバー」は、自動車業界に衝撃を与えた。9月に公開された新型レンジローバーは、同様の影響を、自動車業界に与えるかもしれない。新型レンジローバーはSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)としては世界で初めてのオールA(l アルミニウム)合金製車体を採用し、ホワイトボディを従来モデルよりも40%軽量化した。車両全体では420kgも軽くなっている。
 同社のチーフ技術スペシャリストのMark White氏によれば「新型レンジローバーのホワイトボディはBMW社の『3シリーズ』のよりも23kg、Audi社『Q5』よりも85kg、鋼製車体の競合車種に比べると150kgも軽い」という。
 「車体を100kg軽量化すると、燃費はおよそ2%向上する。我々は、新型レンジローバーの車体を400kg軽量化することにより、実用走行燃費を8%向上させることを計画した」

以下、『日経Automotive Technology』2012年11月号に掲載