クルマを所有せず使いたい時だけに借りるカーシェアリングは、クルマ離れを加速するのではなく、クルマの購入にもつながる──。自社の時間貸し駐車場を有効利用し、国内最大規模のカーシェアリング「タイムズプラス」を展開しているタイムズ24の林秀行氏が新しいクルマの使い方について語った。(聞き手は林 達彦)

タイムズ24 執行役員 事業企画本部長 林 秀行氏
タイムズ24 執行役員 事業企画本部長 林 秀行氏

 もともと駐車場からスタートした弊社が、カーシェアリングに取り組み始めたのは、クルマ離れが叫ばれ、駐車場ビジネスへの危機感が芽生えたから。最近は、所有するコストが高いので、クルマを購入しないというユーザーも多い。しかし、まったくクルマに触れなくなると、クルマの利用者がどんどん減っていく。このため2009年にマツダレンタカーをグループ化し、カーシェアリング事業を始めた。
 日本ではカーシェアリングの歴史が浅く、まだ鉄道やバス、タクシーなどに並ぶ交通手段としては認知されていない。しかし、駅や自宅の近くに貸し出し拠点があればどうだろう。今まで、バスやタクシーでは行きにくかった場所に、短時間、低コストで行ける場合もある。しかも、予約は携帯電話を使って直前に済ませばよい。急に使わなくなった場合も1分前までならキャンセル料がかからないため、気軽に利用できる。

以下、『日経Automotive Technology』2012年11月号に掲載