特集

データセンター協奏曲

電力削減を支えるハードの進化
解説

Windows 8から白物まで、総取り狙うSamsung社

欧州最大の家電展示会「IFA 2012」から
NEレポート
  • 太陽電池業界に衝撃、京セラの3本バスバー特許
    中国メーカーの安値攻勢への対抗手段になるか
  • 薄型・軽量になった「iPhone 5」、日本でもLTEが利用可能に
    インセル型タッチ・パネルや背面ガラスの廃止が薄型化に寄与
  • 無線LANによる電源オンはダメ、エアコンのスマホ連携に制限
    電気用品安全法に抵触、パナソニックがアプリを変更
  • 恐怖のシャープと落胆の鴻海、すれ違いの先に何を結べるのか
    ささやかれる“JAL方式”
  • スマホのカメラで静脈認証、近赤外線の照射を不要に
    ソフトバンクモバイルらが2012年度中に製品化
  • 東芝が有機薄膜太陽電池、モジュール効率7.7%を実現
    独自の印刷技術で世界記録の5割増しに
寄稿

日本発の国際標準が
スマートテレビのカギに

新興国などで脚光を浴びる「LIME」
川森 雅仁 氏
NTT サービスエボリューション研究所 主任研究員
インタビュー

似通ってきた世界
「地球村」に向けた開発を

James Dyson 氏
英Dyson社 創業者/Chief Engineer
インサイド

iPhone 4Sにそっくりな
山寨機を開けてみた

ドキュメンタリー

価値ある技術には
金を掛けろ

富士フイルムの高級デジタル・カメラ 「FinePix X100」の開発(第3回)
NEアカデミー
現地レポート 日本のメガソーラー(第2回)

安定した発電が見込める山梨県
実証実験で日本をリード

NEセミナー・セレクション
次世代医療シンポジウム ~通信技術が変える未来の医療/ヘルスケア~(最終回)

生体データの活用やセキュリティーを議論

クローズアップ
  • クルマ:スズキの新型「ワゴンR」、Liイオン2次電池を初採用
  • 部品/部材:村田製作所がMLCC事業で攻勢、「0201」品を2015年に量産化
  • 組み込みソフト:ネット家電を遠隔サポート、オプティムがBtoB向けにシステムを開発
技術者の本棚: 私が好きな本 『人類の足跡10万年全史』

その研究は社会にどう役立つのか
全体を俯瞰した議論が重要に

キーワード

インセル

編集長から

 各種データの利活用が盛んになるにつれ、重要性がますます高まっているのが、データセンターです。データセンター全体の負荷は今後も増大するとみられ、米Cisco Systems社の予測では「世界のデータセンター全体のトラフィックは2010年から年平均成長率33%のペースで増加し、2015年には4.76Z(ゼタ:10の21乗)バイトに達する」ほど。2011年比でおよそ3倍のトラフィックをデータセンターが処理しなければならない計算です。こうした需要に応えるために、サービス事業者などはデータセンターの増強を図っているのですが、データセンターが消費する電力が膨大になるという大きな課題に直面しています。データセンターの単位消費電力当たりの処理能力(電力効率)を、これまで以上のペースで向上させなければならない状況です。

 米Gartner社は、データセンター用ハードウエアの市場規模が年平均成長率7.5%ほどで増加すると予測しています。世界のデータセンター全体が許容する消費電力の伸びは、これに近い値になるでしょう。そのような仮定でも、データセンターの電力効率を2010年比で約2.9倍に高めねばなりません。このような高いハードルを乗り越えるには、空調・配電、ストレージ、ネットワーク、マイクロプロセサなどデータセンターを構成する各種ハードウエアを見直す必要があり、開発が急速に進展しています。今号の特集では、こうしたデータセンターの要素技術に焦点を当てました。

 この他、最新号では、欧州最大の家電展示会「IFA 2012」を取材した解説「Windows 8から白物まで、総取り狙うSamsung社」、新興国を中心にIPTVサービス向けの技術として関心を集めている国際標準規格「LIME」に関する寄稿「日本発の国際標準がスマートテレビのカギに」、そしてサイクロン式掃除機や羽根のない扇風機など独創的な製品を手掛ける英Dyson社の創業者でChief Engineerを務めるJames Dyson氏へのインタビューなどを掲載しています。

 インタビュー記事では、パナソニック デバイス社 社長の小林俊明氏に登場いただきます。パナソニックがグループ内の部品/半導体など事業を統合し、2012年に発足させた同社は、約1兆4000億円の売上高を誇ります。小林氏に、巨大事業体をどのように舵取りしていくのかを聞きました。ぜひご一読いただければ幸いです。

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日経エレクトロニクス編集長  大久保 聡

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