ツバメックス(本社新潟市)は、米Apple社のタブレット端末「iPad」を金型の加工現場で使い始めた。パソコンの操作が苦手な作業者でも、設計情報や生産管理情報を現場で簡単に見ることができるため、作業効率の向上が見込める。現在は1台だけを使ったトライアル的な位置付けだが、今後はそこでの使われ方などを見極めた上で利用拡大を図る。

生産性10倍を目指す

 ツバメックスは超短納期を実現するために、生産性を10倍に高めるという目標に向けた取り組みを長年進めてきた。取り組み始めた約15年前は、金型1型当たりの設計期間は約20日、NCデータ作成工数は約10日だったが、これらをそれぞれ2日と1日にすることが最終目標だ。さらに、その後工程の機械加工についても、段取りの自動化や、加工機の2台持ちによる加工時間の半減、仕上げ工程も従来の複数回トライから調整不要(トライ1回)を目指している。

 まだ目標には到達していないが、現状でも、金型の設計期間は約10日と半減を実現している。それに有効だったのが、設計支援システムや生産管理システムの構築だった。

〔以下、日経ものづくり2012年9月号に掲載〕