信号機、電光掲示板、ディスプレイのバックライト、照明など、着実にその活躍の場を広げつつあるLED(発光ダイオード)。そう遠くない将来、デジタルカメラ(デジカメ)専用機のフラッシュとしても使われそうだ。

 デジカメ用のフラッシュとしては、現在まで長きにわたって、キセノンランプが使われている。瞬時に大光量の光を発することができ、なおかつ低価格だからだ。ただし、キセノンガス中での放電を利用する原理上の理由などから、発光の間隔や長さを柔軟に変えるのは簡単ではない。

 これに対してLEDでは、さまざまなバリエーションの発光を実現しやすい。接写に向く微少発光、室内や逆光などさまざまな状況に対して最適化しやすい連続発光、動画撮影時に有用なトーチ(たいまつ)発光などだ。唯一の弱点が、デジカメ・メーカーが要求する水準の光量を達成できなかったこと。こうした中、ロームがデジカメ用フラッシュのLED化にメドをつけた。その背景には、あるキー部品の開発があった。さて、そのキー部品とは何か?

〔以下、日経ものづくり2012年9月号に掲載〕