シャープの不振が顕著に

 「断腸の思いだが、今やらなければ次の成長はないという不退転の決意でやりきっていく」──。シャープは、業績改善に向けて、人員削減を含めた構造改革に着手する。同社で代表取締役社長を務める奥田隆司氏は、冒頭の言葉を沈痛な面持ちで語った。

 人員削減が必要なほど、シャープは業績悪化からの出口が見えていない。電機大手6社の中では、“独り負け”といえる。2012年度第1四半期(2012年4~6月)の連結決算は、売上高が前年同期比28.4%減の4586億円、営業損益が前年同期の35億円の黒字から941億円の赤字に転落した。純損益は1384億円の赤字となり、前年同期の492億円の赤字から約900億円も悪化した。

 業績悪化の原因は、液晶テレビの販売不振や液晶パネル事業の赤字が拡大したこと。シャープは2012年度通期における純損益の見通しを、300億円の赤字から2500億円の赤字に下方修正した。台湾Hon Hai Precision Industry社(鴻海)との資本提携契約の見直しも取り沙汰されている。

『日経エレクトロニクス』2012年8月20日号より一部掲載

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