1996年発売の初代以来、3代目となるドイツPorsche社の新型「ボクスター」が2012年6月に登場した。新型「911」と多くの部品を共用する同車は、ボディ質量の46%にアルミニウム合金を使い、軽量化しながらエンジン排気量を縮小し、性能と燃費の向上を図った。

 新型は全長を32mm、ホイールベースを60mm延長することで、レッグルームを25mm拡大した。外観では曲率半径を小さくして湾曲を強めた前部ウインドーが特徴的。これによってウインドーの先端部は100mm前に出ているという。先代まではドア外板も911と共用していたが、今回から専用のドアとして独自性を強めている。
 ソフトトップを採用する点は先代と変わらないが、ロック機構を電動化したのと、トップ収納時に上に被せるカバーを廃止したことが新型での変更点。ソフトトップは約12kgと軽くなり、開閉に要する時間も9秒と短い。走行中も50km/hまで開閉可能で、停車中にキーを用いて離れたところからでも開閉できる。
 内装では、「パナメーラ」や新型911と同様に、後方に向かって傾斜が付いた大型のセンターコンソールを採用した。この形状は2003年に限定発売されたV型10気筒エンジン搭載のスーパーカー「カレラGT」をモチーフにする。ドアトリム部分のデザインは911と共通だが、メーターパネルは911の5眼式に対してこちらは3眼式となり、インストルメントパネルもオリジナルのデザインだ(図)。

以下、『日経Automotive Technology』2012年9月号に掲載
図 「911」と共通点が多い内装
図 「911」と共通点が多い内装
ドアトリム、ステアリングなどは「911」と共用するが、インストルメントパネルは独自のデザイン。