雑誌 特集

HTML5でつながる

中道 理、久米 秀尚=日経エレクトロニクス、内田 泰=Tech-On!
2012/07/06 09:00
 

第1部<総論>
進む家電のHTML5化
“究極の機器連携”を実現へ

デジタル機器業界がHTML5アプリ実行環境の搭載に向けて一斉に走り始めた。中立かつ標準的な技術によって、異機種間で同じコードが動作する環境が生まれる。多様な機器が、インターネット越しに連携する新たな世界が実現する。

仕様策定とハードの進化が後押し

 「HTML5」。これまでは主にパソコンなどIT業界で注目を浴びていたこの技術に今、デジタル家電などの機器業界から熱い視線が注がれている。

 中でも動きが活発なのが、テレビ分野だ。国内では、NTTぷらら、ケーブルテレビ事業者のそれぞれが2012年秋よりHTML5で記述されたアプリケーション・ソフトウエア(以下、アプリ)の実行環境を備えたセットトップ・ボックス(STB)を投入する。

 続く2013年には、NHK放送技術研究所が開発した、HTML5を採用した放送通信連携基盤「Hybridcast」が実用化される。これに合わせて、国内のテレビ・メーカーから対応のテレビが市場投入されるとみられる。海外では2011年に、韓国Samsung Electronics社がアプリを追加・実行可能なテレビ「Samsung Smart TV」のアプリ記述言語として、HTML5を採用済みだ。

 スマートフォンやタブレット端末の分野でも、HTML5を中核技術として採用する動きが加速している。例えば、米Microsoft社が2012年秋に出荷を開始するOS「Windows 8」である。同社として初めてアプリ開発言語にHTML5を採用する。同時期に投入する「Windows Phone 8」でも同様とみられる。

 この他、車載情報端末やデジタル・サイネージなどの分野でも、HTML5の採用検討が始まっている。なぜ、デジタル家電関連企業がここにきてHTML5に一斉に取り組み始めたのか。その背景には技術面と戦略面の事情がある。

『日経エレクトロニクス』2012年7月9日号より一部掲載

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第2部<デジタル機器>
共通基盤の採用が
業界構造に風穴を開ける

2012年秋ごろからHTML5対応製品が続々と登場する見込みだ。それらを手掛ける企業はHTML5に何を期待し、どう実装するのか。スマートフォン、テレビなど製品分野ごとの取り組みを追った。

HTML5を導入する動機

 HTML5を、インターネットに接続されたデジタル機器で採用するメリットは多い。主に、(1)開発者の裾野が広い、(2)一つのコードで複数のプラットフォームに対応できる、(3)他のWebサービスの活用が容易になる、(4)異なる機器間の連携が容易になる、といった四つの利点がある。

 最近ではスマートフォン/タブレット端末に引き続き、テレビ、デジタル・サイネージ、そして車載情報端末でHTML5を活用すべく各社が動き出している。各分野の製品ともディスプレイを持ち、インターネット経由でアプリやサービスをユーザーに提供する点が共通している。

 ただし、それぞれの製品分野で採用の狙いや思惑が異なる部分もある。分野ごとに、具体的に最新動向を見ていこう。

『日経エレクトロニクス』2012年7月9日号より一部掲載

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第3部<プラットフォーム>
Webアプリ開発者を取り込め
ネーティブの扱い方で違い

HTML5を旗印にするソフトウエア・プラットフォームが続々と登場している。いずれもHTML5のアプリ実行環境を搭載し、独自のアプリ・マーケットを展開する。ただし、現時点では各プラットフォームの実装はバラバラという課題もある。

HTML5アプリ実行環境を備える主なモバイル機器向けプラットフォーム

 自社プラットフォーム向けにアプリを開発してもらうにはどうすればよいか──。その答えとして、HTML5での開発環境をプラットフォームに取り込む動きが活発化している。

 現在、注目されているプラットフォームは四つある。Linux Foundationの「Tizen」、米Microsoft社の「Windows 8」、Mozilla Foundationの「Boot to Gecko」、カナダResearch In Motion(RIM)社の「BlackBerry 10」である。TizenとBlackBerry 10はHTML5の解釈・実行エンジンとして「WebKit」、Boot to GeckoはMozilla Foundationの「Gecko」、Windows 8が「IE Component」を採用している。

先行モデルを踏襲

 いずれのプラットフォームとも、HTML5の利用方法は同じである。HTML5をプログラム言語として捉え、それぞれのランタイム上でHTML5アプリを動かすというものだ。アプリ・ファイルはHTML、JavaScript、CSSで記述したファイルを、Zipなどの圧縮フォルダにまとめたものである。このアプリ・ファイルはプラットフォーム提供元が用意したアプリ・マーケットからダウンロードできる。

『日経エレクトロニクス』2012年7月9日号より一部掲載

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